ツイステッド ワンダーランド pixiv。 #ツイステッド・ワンダーランド #ツイステ 悪声

【ツイステッドワンダーランド】キャラクターのモチーフ・元ネタ【ツイステ】

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ほんとこいつら一生悪友。 あと作品の内容には全く関係ないけど、デュース誕生日おめでとう!!! この作品には監督生 性別不詳 がいます。 一人称は「自分」です。 また、作者自身はこの作品におけるネームドキャラから監督生への感情を「友情」や「興味」と考えていますが、見方によっては恋愛感情に見えるかもしれません。 そのため、少しでも恋愛感情に見えるのが嫌だという方への配慮として通常のタグと夢タグを併用しています。 ガッツリ夢ではないので期待された方はすみません……。 四章……ジャミルをますます好きになるのと比例するようにカリムくんがお辛くなっていったんですが……? ジャミルの話として四章はめちゃめちゃ面白かったんですが、今後カリムくんにもっと掘り下げがあるように期待しています。 そうじゃないと救われる気がしねえ。 「エースとデュースは、この後どうするの?」 灼熱の太陽の元、オアシスを背に宴が行われている真っ最中。 監督生と、エースとデュースと、数人のスカラビア寮生の一年生とで車座になって一緒にご飯を食べていたところに、監督生が突然先程までと関係ない話題を振った。 話題に上がった二人、エースとデュースは、質問の意図を図りかねきょとんと監督生を見返す。 「どうする……って?」 「二人とも、この後また電車とか乗り継いで帰るの?ってこと」 「いや、まあ……面倒だが、そうするだろうな。 母さんには詳しく説明もせずに出てきてしまったし」 「俺も。 しかも、ここまで苦労して来てやったってのに、当の本人は楽しそうに宴とかしちゃってるしさー。 ほんと、骨折り損だったわ」 「嘘つけ。 ちゃっかり宴も楽しんでるくせに」 わざとらしく嘆くエースに、笑顔のまま辛辣な言葉を返す監督生。 最初はわけもわからず振り回されてばかりだったのに、つくづくこの学園に染まってきている。 「まーね。 トモダチのためにわざわざこんなとこまで来てやったんだし、ちょっとぐらいいい思いしたっていいだろ?」 「はいはい、悪かったよ大騒ぎして。 でも、ここって闇の鏡以外にも来る方法あったんだね。 意外」 「大変なんてものじゃないぞ。 電車やら何やらいくつも乗り換えて、最後には学園の近くにバス停すらないからタクシーを呼んだ。 運転手がとんでもなく怪訝そうな、『ホリデーなのになんでわざわざここまでして学校に来てるんだ』とでも言いたげな顔をしていたな」 「とか偉そうに言ってるけど、こいつ、駅で偶然オレが見かけて声かけるまで、学校とは逆方面に向かう電車に乗ろうとしてたけどな」 「う、うるさいぞエース!僕はただ、こっちではないよなと念入りに確認していただけだ!うっかり乗りかけたりしてない!」 「そんなに大変だったんだ。 交通費とか馬鹿にならないでしょ?なんか申し訳ないな、ごめん、二人とも」 「水くさいぞ、監督生。 僕とお前はマブだろ?」 「急にしおらしくなるなよ。 まあ、期末テストの時はお前に助けられたからな、これでおあいこだぜ?」 「そ、ならいいや。 あと、いくら友達でも尻拭いに駆り出されるのはもうごめんだから。 期末テストのときみたいな悪事には手を出さないようにしてよ」 「うぐ……あれについてはイソギンチャク生活でもう反省したっての!」 「ああ。 やはり優等生たるもの、ズルはよくないな!」 「イソギンチャクが、どうかしたの?」 ふと影がさしたかと思うと、監督生の頭の上からフロイドがぬっと顔を出した。 「うわっ、フロイド先輩!?」 「カニちゃんうるさい、絞めるよ?」 「あれ、先輩、ダンスはもういいんですか?」 「なんか小エビちゃんたちが楽しそうな話してるから抜けてきた。 あの時の小エビちゃんとウニちゃん、すげー頑張ってて面白かったな〜」 監督生の右隣、グリムがだいぶ前にご馳走につられどこかに行った後空いていた場所にフロイドが腰を下ろす。 寮服のジャケットもストールもほっぽって、シャツもいくつもボタンを外しているが、表情は暑さも感じさせないほど楽しそうだ。 車座を作っていたスカラビア寮生たちは、いくら寮長のカリムと懇意とはいえ積極的には関わりたくないのか、フロイドの興味が他寮の三人に向いている隙にそっとその場を離れていった。 「イソギンチャクの話というか……エースとデュースはこの後どうするのって話をしてたら、そっちに流れていったんですよ」 「この後?カニちゃんたち、ここに泊まってかねーの?えーつまんなーい」 「いやいやそんなこと言われても。 オレたち着替えも持ってきてねえし、ハーツラビュルは全員帰省してて閉まってるから、泊まる場所もないっすよ」 「困ってるのか?じゃあ、スカラビアに泊まっていけよ!」 「うわっびっくりした!」 これまた唐突に、いつの間にかそこにいたカリムが会話に割り込んできた。 きらきらと笑顔を振りまく様は正に太陽といった感じで、エースとデュースは今まで出会ったことのないタイプを相手に思わず及び腰になる。 「とーちゃんが改築したときに、ゲストルームもいっぱい作ってくれたしさ。 服も貸すぜ?せっかくここまで来たんだから、ゆっくりしていけよ!」 「俺は反対だ。 苦労するのは誰だと思ってるんだ、絶対に嫌だからな」 「まあまあ、もともと大人数だし、二人増えたってそんなに変わりゃしないだろ。 それに、オレも手伝うからさ!スープぐらいなら作れるようになったし!」 「お前はただ鍋をかき混ぜていただけで、味付けをしたのは全部ジェイドだっただろうが。 ……はぁ、もういい。 俺に迷惑をかけないのなら、好きにしろ」 「本当か!?ありがとうジャミル!」 「クソッだから俺はお前のその顔が嫌いなんだと何度も!」 「……ジャミル先輩、性格変わりすぎじゃね?」 「まあ、色々あったんだよ。 あれが本来の性格らしい」 「というかいつの間にか、僕たちがここに泊まることになっているな」 「カリム先輩もああ言ってるし、遠慮しなくてもいいんじゃない? もとからスカラビア寮生全員いるし、その上自分含めて五人も客がいるんだから、二人増えたところで大して変わらないのは本当だろうしね」 「オクタヴィネルの連中もスカラビアに監禁されてたのか!?全く想像がつかないが……」 「は?オレらがそんなどんくさいことするわけねーじゃん。 なんか面白そうだったから、ラッコちゃんたちとオレらとで合同合宿してたんだー。 アズールはウミヘビくんと友達になりたかったらしいし、オレとジェイドはラッコちゃんといっぱい遊べるし」 「『なんか面白そう』っていう理由でこいつらに乗り込まれるスカラビア寮生、不憫だな……」 「うん、まあ、アズール先輩たちのおかげでどうにかなったのは事実だけど、ちょっとだけ申し訳なくなったりはしたよね」 「それから、小エビちゃんと一緒に寝たりもしたし。 小エビちゃん、ちょー抱き心地よかった〜」 「「は?」」 「うわ急にめっちゃ食いつくじゃん……こわ……」 あからさまに声が低くなった二人に監督生がドン引きしているが、エースとデュースはそれどころではないのである。 監禁されたと聞いて慌てて家を飛び出したのに、自分たちが駆けつけたときには問題は解決していた。 監督生はオクタヴィネルやスカラビアの連中と一緒に、楽しく合宿していた。 そもそもこの時点で、エースとデュースはなんとなく面白くなかった。 ちょっとムッとしていた。 自分たちはこんなに苦労してきてやったのに、楽しそうにしやがって、とちょっと思っていたり。 別に自分たちもオンボロ寮でお泊まり会とかしたし、一晩中遊んだりしたし、と心の中でマウントを取っていたり。 スカラビアに泊まっていくのも、表向きには渋っていたが内心やぶさかでもなかったりした。 が、今のフロイドの発言によって平静を保つふりもできなくなった。 「フロイド先輩、誤解されるような言い方しないでくださいよ」 「えー、オレほんとのことしか言ってないじゃん。 小エビちゃんと、オレと、アズールと、ジェイドと、あとアザラシちゃんで一緒に寝たし。 オレは小エビちゃんをぎゅーってしてたし」 「作戦会議のあと、フロイド先輩が自分の部屋に帰るのめんどくさいーって言い出して、面白がったジェイド先輩が乗って、アズール先輩がなんだかんだ巻き込まれた結果ですけどね。 ただでさえ人数が多いってのに、先輩たちが大きいから余計狭苦しかったんですよ?まあ、おかげで寒さは緩和しましたけど」 「小エビちゃんとアザラシちゃん、ぽかぽかしててサイコーだったぁ、あはっ」 「先輩たち、寒さには強いんじゃなかったんですか?」 「それとこれとは話が別でぇす」 端的に言えば、そう。 エースとデュースは嫉妬していたのである。 自分たちでも、オンボロ寮に泊まったときは別々に寝たのに。 冗談でオレもベッドに入れてよって頼んだら、狭いからヤダって断られたのに。 まるでお気に入りのおもちゃをとられた子どものような、あまりにも大人げない癇癪。 入学当時からの付き合いで、共に色んな事件を乗り越えて、自分たちと監督生はマブダチだと認識しているからこそ、こう、ぽっと出の他人 三人も! に余裕綽々で自分たちのいる地点を追い抜かれたことにめちゃくちゃ腹が立った。 しかも監督生が、呆れながらもさほど嫌がっている様子でないのが更にイライラする。 「監督生、今日オレも泊まる!」 「僕もだ!」 「えっ、さっきまで散々渋ってたのに……」 「はあ!?オレは別に嫌だとか一言も言ってませんけどー!?」 「それもそうか。 てか、なんかやけにテンション高くない?いやまあ、二人が泊まっていってくれるなら自分も嬉しいけど」 「そうだろうそうだろう、俺も嬉しい!監督生、今夜は寝かせねぇから覚悟しとけよこの野郎!!!!」 「いや寝かせてよ。 二人ともほんとに振り切れ方おかしくない?大丈夫?熱中症?」 「「ちっげーーーよこの馬鹿!!!」」 「うわカニちゃんとサバちゃん息ぴったりじゃん、キモい」 「フロイド先輩ほんと息をするように罵りますね」 「ジェイドよりマシでしょ」 「ほら監督生、あっちにも美味そうなメシがあるぞ!食いに行こうぜ!!」 「いや、もうお腹いっぱいだからいいよ」 「じゃあオアシスの向こう側まで探索しに行くか!ついて来い監督生、エース!!!」 「あ、うん、わかった。 じゃあフロイド先輩、また後で。 ああデュース、エースも引っ張らないでよ」 「うわあ……がんばれー、小エビちゃん」 フロイドは、エースとデュースがなぜ急に食いついたのかを察した上で二人をからかっていたので、二人が必死になって監督生を引っ張っていくのはちょっと面白かった。 が、これ以上関わるとめんどくさそうだしいっか、と監督生のことは割とあっさり見捨て、適当に手を振って見送った。 ちなみに、今晩も監督生を抱き枕にするつもりではある。

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ハーツラビュル寮: 不思議の国のアリス ハーツラビュル寮は「ハートの女王」の厳格な精神に基づく寮。 ハートラビュル寮の生徒達は、ハートの女王の法律に従って生活している。 リドル・ローズハート 【ハートの女王】 リドルはふしぎの国のアリスのハートの女王がモチーフ規則を守らなかった者に対し「お前たち、覚悟はいいね?首をはねろ!」と言う発言はまさにハートの女王そのもの。 名前の由来は主人公アリスのモデルになった人物の アリス・リデルからきていると予想できます。 エース、スペード、クローバー、ダイヤモンドの4人 【トランプの兵隊】 エース・トラッポラ、デュース・スペード、トレイ・クローバー、ケイト・ダイヤモンドは名前にトランプのマークが入っている事や頬にそれぞれのマークが刻まれている事からふしぎの国のアリスのトランプの兵隊をモチーフにしていると予想できます。 サバナクロー寮: ライオンキング サバナクロー寮は百獣の王の不屈の精神に基づく寮。 スポーツや格闘技などを得意とする肉体派の生徒が多い。 レオナ・キングスカラー 【スカー】 オクタヴィネル寮: リトルマーメイド オクタヴィネル寮は海の魔女「アースラ」の慈悲の精神に基づく寮。 生徒達は「モストロ・ラウンジ」というカフェを学園内で運営している。 アズール・アーシェングロット 【アースラ】 アズールはリトルマーメイドに登場する海の魔女アースラがモチーフ。 公式サイトのセリフは甘い言葉で本性を隠しつつ契約を迫るところなどアースラと共通するところがあります。 フロイド・リー 【フロットサム】 フロイドはリトル・マーメイドの双子のウツボ「フロットサムとジェットサム」のフロットサムの方がモチーフ。 フロットサム同様、フロイドは右目が金色の瞳。 ジェイド・リーチ 【ジェットサム】 ジェイドはリトル・マーメイドの双子のウツボ「フロットサムとジェットサム」のジェットサムがモチーフ。 ジェットサム同様ジェイドは左目が金色の瞳。 スカラビア寮: アラジン スカラビア寮は砂漠の魔術師「ジャファー」の熟慮の精神に基づく寮。 思慮深く、知略に優れた寮生が多い。 カリム・アルアジーム 【サルタン王 ? 】 カリムはアラジンのサルタン王がモチーフ ?。 サルタン王の楽観的な性格、着ている上着や帯の色が類似している点、またカリムとジャミルの関係性がサルタン王とジャファーを彷彿させる点等からサルタン王の可能性が高いと予想されます。 ただ他のキャラのモチーフに比べると類似点が少ないので現時点では確定は出来ません。 ジャミル・バイパー 【 ジャファー】 ジャミルはアラジンの ジャファーがモチーフ。 目つきの悪さや「今に見てろよ」と 何かを狙うようなセリフがジャファーを連想させます。 ポムフィーネ寮: 白雪姫 ポムフィーネ寮は美しき女王の奮励の精神に基づく寮。 寮生は魔法薬学や呪術に優れている。 独自の美意識を持つ生徒が多い。 ヴィル・シェーンハイト【ウィックドクイーン】 ヴィルは白雪姫に登場するウィックドクイーンがモチーフ。 美意識が異常に高いところなどヴィルと重なります。 エペル・フェルミエ【毒リンゴ】 エペルは白雪姫の劇中の「毒リンゴ」がモチーフと思われます。 Epleのスペルはノルウェー語で「りんご」。 またFelmierはフランス語で農家や手作りを意味する言葉。 ルーク・ハント【狩人】 ルークは白雪姫の狩人がモチーフ。 原作のように優しい性格ではなく、ヴィラン側のキャラとして弓矢が得意なキャラの設定のようです。 イグニハイド寮: ヘラクレス イグニハイド寮は死者の国の王「ハデス」の勤勉な精神に基づく寮。 魔法だけでなく最新テクノロジーも積極的に取り入れている。 生徒達も独特の雰囲気を持っている者が多い。 イデア・シュラウド 【ハデス】 イデアはヘラクレスに登場するハデスがモチーフ。 蒼炎のような青い髪が特徴。 機が熟すまで現世に手を出せない冥界の主は引きこもり気質のハデスと重なります。 オルト・シュラウド 【オルトロス】 オルトはヘラクレスの原作で登場する双頭の犬オルトロスがモチーフ。 オルトロスとハデスは、遠い血縁関係で、兄弟関係もそれに関連させたものかもしれません。 ディアソムニア寮: 眠れる森の美女 ディアソムニア寮は茨の魔女の高尚な精神に基づく寮。 魔術全般に優れている。 ダークな雰囲気の生徒が多い。 マレウス・ドラコニア 【マレフィセント】 マウレスは眠れる森の美女に登場するマレフィセントがモチーフと予想せれます。 名前にマレがつくところや、頭の上の角の形状が特徴的よく似ているのも類似しています。 リリア・ヴァンルージュ【?】調査中 シルバー【?】調査中 セベク・ジグボルト【?】調査中 ナイトレイブンカレッジ関係者 デイヴィス・クルーウェル【 101匹わんちゃん:クルエラ 】 デイヴィウスは101匹わんちゃんのクルエラがモチーフ。 ダルメシアンを連想させる白黒のカラーリング。 首元の毛皮。 赤いグローブ。 名前も似ています。 「ファッションのことになると周りが見えなくなる」という点も共通しています。 モーゼス・トレイン 【 シンデレラ:トレメイン婦人 】 モーゼスはシンデレラのトレメイン夫人がモチーフ。 髪型や髪色。 上品な立ち振る舞い。 冷たい性格。 飼い猫を抱く姿等トレメイン夫人と酷似してます。 夫人の意地悪さは、その表情と厳しい性格に反映されているようです。 アシュトン・バルガス 【 美女と野獣:ガストン 】 アシュトンは美女と野獣のガストンがモチーフ。 赤地にベージュの襟の服。 筋肉質の体型。 ナルシストな性格はガストンにそっくりです。 名前も彼をモチーフにした事が解ります。 サム【 プリンセスと魔法のキス:ドクターファシリエ 】 サムはプリンセスと魔法のキスのドクターファシリエがモチーフ。 髑髏のシルクハット。 紫色と黒のカラーリング。 黒い肌色等。 ミステリーショップの店主等共通点が多くみられます。 なんでも揃う品揃えという部分で、望むものを何でも与えられる能力のあるファシリエと重なります。

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【ツイステッドワンダーランド】キャラクターのモチーフ・元ネタ【ツイステ】

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「帰る方法が見つかった」 そう言って、彼女は元の世界に帰っていった。 ほんの短い期間ではあったが、彼女と親しくしていた者たちは、彼女が家へ帰ることを喜び、同時に別れることを悲しみ、しかし最後は笑顔で、彼女の帰路を祝った。 対する彼女も、涙で瞳を濡らしながら、ありったけの感謝を伝えて、自身の世界へと帰っていった。 そんな中、彼女の恋人であるフロイド・リーチは、ただひとこと、「そう、」と告げて、帰っていく彼女を見送っていた。 [newpage] そこは、海辺の町だった。 つい最近、長い長い眠りから覚めた彼女は、療養のためと、祖父母の住むこの町にやってきた。 目を覚まして二ヶ月と少し、身体は十分回復し、彼女はのびのびと休養を謳歌していた。 今日も彼女は、暑い日差しの下、海ぞいの通りを歩いていた。 深く息を吸えば、潮の香りとともに、夏の暑い空気が肺を満たす。 彼女は思い切り伸びをして、眼前に広がる海を眺めた。 青い波間を光が反射し、水平線から上には、むくむくとましろい入道雲、その隙間を埋める濃い空色は、まさに真夏のそれだった。 彼女は、堤防を越えて砂浜に降りる。 白い砂浜は太陽に熱され、サンダルを脱いだ彼女の足を温かく迎えた。 風にさらわれてしまわぬようにと、頭にかぶった麦わら帽子を押さえながら、サンダルを地面に置いた彼女は砂浜を駆けた。 幼いころから何度も訪れたこの場所は、彼女にとっては慣れ親しんだ庭のようなものだ。 波打ち際まで近づけば、白い波が押し寄せて、彼女の足を濡らす。 歩いて汗ばんだ身体には、その冷たさが心地よくて、子供のように波とたわむれる。 しばらくそうして遊んでいたが、やがて彼女は、すい、と海へ視線を向ける。 (……?) なんだか、ひどく懐かしい声が聞こえた気がして、じっと遠くを見ていた彼女は、波間に、何かが動くのを見た気がした。 「なに?」 それを確かめようとした彼女に、突然ばしゃんっ!と、ひときわおおきな波がおそった。 たまらずしりもちをつけば、次の瞬間に、影はどこかへ消えていた。 ただ、彼女の足元には、海の底を切り取ったような、深い深い青色の貝殻が転がっていた。 はてこんなものさっきからあっただろうかと、そんな疑問を抱きつつ、それが放つ不思議な魅力に、彼女はそれを拾った。 [newpage] 月のきれいな夜だった。 彼女は、祖父母が眠ったのを確かめて、そっと家を抜け出した。 さわさわと、涼しい風が草木を揺らし、彼女の髪をさらう。 ふらふらとおぼつかない様子で歩く彼女の眼は、はっきりとした意思を映さない。 ただ彼女がたどっている道筋は、今日の昼に通った道だ。 夜分遅く、人々はすっかり寝静まり、外を歩くのは彼女一人だ。 じゃり、とアスファルトを踏んで、静かな夜を進んでいく。 街灯の白い光が道を照らし、影を濃くする。 家々の隙間を抜けて、さびれた駄菓子屋、電気屋、田んぼを過ぎ、彼女は海辺の通りへと姿を現した。 ちゃり、と、ポケットの中で、昼間に拾った貝殻が音を立てる。 そこに一瞬だけ視線を向けて、彼女は浜へと歩き出す。 惹きつけられるように、引かれるように、さくさくと踏んだ砂は、昼間の熱をわずかに残していた。 彼女は波打ち際に立って、ぼんやりと海を見つめる。 昼間と違って静かな海。 黒い海。 暗い海。 天高く昇ったおつきさまは、金色に輝いている。 途端に、大きな大きな波がきて、一瞬のうちに彼女を飲み込んだ。 彼女は驚くでもなく、抵抗するでもなく、ただ満面の笑みを浮かべ、両手を広げてそれを迎えた。 ざばん、とさらわれ海の中、ごぽごぽと肺から漏れる酸素を、彼女は他人事のように見上げていた。 暗く見えた水面下は、月のおかげか存外明るく、視界に広がるは一面の青。 きらきら差し込む月光は、カーテンのように水中に射し、彼女はしばらく見とれていた。 そんな静寂の中、少しずつ沈みゆく彼女の身体を、何かが素早くとらえて上る。 ざばっと音を立てて、彼女の半身は海面上に現れた。 「久ぶりぃ、小エビちゃん。 迎えに来たよぉ」 ぼやけた視界に映ったのは、懐かしい彼の人の姿だった。 「ふろ、いど……せんぱい」 げほげほとむせながら彼女は、彼の名前を呼ぶ。 向こうの世界で知り合った、愛しい恋人の名前を。 「小エビちゃんがいなくなって、つまんなくなっちゃったから」 ちゃんと招待も出したでしょ?と、あまりに無邪気に笑う彼に、彼女は思わず笑いだす。 あああの貝殻は招待状だったのかと、そんなことを思いながら、ただ笑う。 あまりに自分が滑稽だったのだ。 初めから、たとえ帰る方法があったとしても、帰ることなどできないのだと、そんなことはわかっていたはずなのに。 この両の瞳に魅入られた日から、あるいはその牙にとらえられた時から、自分はこの優しい沼から抜け出すことなど出来ようはずがなかったのだから。 「?よくわかんないけど、帰ろっか、小エビちゃん。 ジェイドもアズールも、みんな待ってるよ」 そう言って、彼は彼女を抱えたままざぶりと泳ぎだす。 彼はそのまま、暗い暗い海の底へと、まっすぐに潜っていった。

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