こんこん 小山 の こうさぎ は。 ハチミツマーマレード

#鬼滅の刃 #炭ねず こんこん小山の子うさぎは

こんこん 小山 の こうさぎ は

赤ちゃんの守りをするために雇われた守子の 何とも言えないやるせなさが歌われています。 昨日は赤ちゃんが夜泣きして 遅くまで外でおんぶしてあやさなければ いけなかったので、よく眠れなかったよ。 今日は赤ちゃんが寝ているうちに昼寝をしておこう。 なぜこんなに泣くの、 お乳が足らないの、 おまえには親がないの、 お乳もさっきもらったばかりじゃないの。 藤本容子さんが歌っておられます。 切なく美しい歌声です。 今回の 「守さ子守さ」は、 雇われた子守の子どもが 自らのために歌ったのです。 背中に背負った赤ちゃんが泣くと、 「なぜ泣かせるの」と叱られたりして、 泣きたいのは自分なのです。 守子の辛い心情。 慰めたくなるのは自分なの。 「守さ子守さ晩げ 日暮 が大事、朝は寝起きはなお大事」 「守さ子守さ、楽そうで辛い、親にゃ叱られ、子にゃ泣かれ」 「守さ楽のよで楽じゃない、朝は早 はよ から叩き起されて、 晩は四つまで門に立つ」 「守は辛いぞ、霜月師走、雪はちらつく、子はぐずる」 そして、 「守さ子守さ、なぜ子を泣かす、泣かせまいとの守じゃもの」 「守さ頼むなら、ちんばを頼め、歩くたんびに子が黙る」と。 守っ子 守っ子というもの 辛 つら いもの 雨が降る時ゃ 宿が無い おかかにゃ叱られ 子にゃ泣かれ 子どもに泣かれてしまうと本当に大変です。 泣くないよ坊ややよ 泣くないよ坊ややよ 泣くないよ坊ややよ 泣くないよ坊ややよ 母様 あんま やよ何処 だち もうち 母様 あんま やよ芋堀 とんふ りが 野良 はる ち行ちゃんど 芋堀 とんふ りが行ちゃんど 泣くなちーば 泣きゅるよ 泣くなちーば 泣きゅるよ ヨーハレ愛子 かな よ お母さんが畑に芋堀に行っているのですね。 「すぐに帰ってくるからね」、と家族の人。 お婆ちゃんでしょうか、お姉さんでしょうか、 坊やをあやしているのでしょうね。 『音大工 』 あまりにも美しいので切なくもうっとりしてしまいます。 それにしても、子どもとは可愛いものです。 月ぬ美しゃ 月 ツキ ぬ美 カイ しゃ 十三日 トウカミカ みやらび美 カイ しゃ 十七 トウナナ つ ホーイ チョーガ 有名な八重垣童謡です。 お月様の美しさは十三夜、 乙女の可愛さは十七歳、と歌っていますね。 みやらび(ミヤラビ)とは少女の意味です。 沖縄の月を見たくなりました!.

次の

#4 奇跡を孕む

こんこん 小山 の こうさぎ は

俺は一番俺の事が好きじゃない。 そう何度も繰り返し呪縛を自分にかけてきた。 こんな不完全な俺を認めちゃいけない。 じいちゃんの時間を無駄にしてるのを許してはいけない。 いつも泣いてばかりの俺を慰めてはいけない。 逃げてばかりな俺を見逃してはいけない。 仲間の足を引っ張ってばかりの俺を受け入れてはいけない。 皆を危険にさらしてる。 俺だって禰豆子ちゃんを守りたいのに、猪助の役にたちたいのに、炭次郎の隣に立ちたいのに。 (常中の呼吸は覚えたのに、体力も上がったのに、反射速度も上がったのに。 弱いまま……) そう言ってまた泣くから守れないんだぞ、善逸……。 心地良い歌が聞こえてくる。 歌詞はわからないけど、とても優しい、優しい……。 この"音"は知ってる。 「ねず、こちゃん…………」 ゆっくり覚醒して目を開けると大好きな子の桜色の瞳が見えて、ギョっとした。 「ねねね、禰豆子ちゃん!? どうしたの!? 痛いの!? 悲しいのぉ!? 炭次郎と離しちゃってごめんねぇえ!」 ポロポロと大粒の涙を流していたから。 ねずこちゃんの泣いてる所初めて見たよ。 ねずこちゃんは"音"は不安と安堵の音をさせている。 けど、君の涙に情けなくもパニックになって俺も悲しくなってきて、俺も泣いた。 「ムー!」 そんな俺に禰豆子ちゃんは思いっきり頭突きをしてきた。 え? え!? 俺炭次郎じゃないからすごく痛いよ! いや炭次郎の頭突きよりはましだけど! ムー! って、すんごい可愛いけど! 「だぁぁ! 怒ってるの? って、あだだだ! 足痛った! え!? 何か体じゅういたい! え!? 」 額の痛みを感じたらドミノ倒しのようにくる痛みに今度こそ号泣した。 よく見ると羽織が血だらけだ。 主に左。 そして思い出して青ざめた。 「そうだった俺たち鬼に出くわしたのね!? だから俺こんなにボロボロなのね!? 禰豆子ちゃんに怪我ない良かった、うぐっ、いやもうなおってるだけかもだけどさぁ。 ぐずっ、情けない。 好きな女の子に守られるなんて」 (情けないっ) 俺が守ってあげたいのに。 守るどころか守らせるなんて……! 事は最近日課になりつつある禰豆子ちゃんとのお散歩が始まりだった。 [newpage] 藤屋敷でお世話になって三日目。 怪我もそこそこ直ってきてしてこれなら明後日にでもまた任務に戻ることになるだろう。 嫌だなぁ、行きたくないなぁ。 だって今度こそ俺死ぬもん! 今回の任務でも助けてもらってばっかりだったのに、やっぱり善逸は頼りになるなぁ、とか、つえーんだから始めっからちゃんとしやがれ、とか言い出すしね!? もう意味わかんないよね!? 皆もそう思うでしょ!? 何なのもう! でも今はすごく幸せな日課があるから救われた気分になる。 はぁぁあ。 可愛いよー! 癒しだ。 一ヶ月程前から禰豆子ちゃんと夜お散歩するって日課。 最近では俺が顔を出すと禰豆子ちゃんが自分からこっちに来てくれるようになった。 それだけじゃないよ。 二日前、俺は強い打撲やら何やらで絶対安静だったんだけど、いつまでも来ない俺に焦れたのか禰豆子ちゃんが俺の裾をちょんって引っ張って来たんだ。 わかる? 上目づかいで首かしげてるの、ほんっと可愛かった! 行かないの? って副音声が聞こえてくる感じで。 「勿論だよ! 禰豆子ちゃんの為なら痛いのだって我慢できる!」 「嫌やめるんだ! 禰豆子もまた今度な、善逸今絶対安静だから!」 「寝とけ弱味噌が!」 因みに、今回の重傷者は俺だけでした、はい。 縄張り争いしていたなかで一番強いのに追い回されたんだ。 金髪フェチな変態だったよ! 怖かったよぉ! って、話それまくった。 それで、歩けるようになって禰豆子ちゃんとお散歩したんだ。 今日はいつもと違って、炭治郎が禰豆子ちゃんと見つけた所につれって言ってくれる見たいだった。 「ねずこちゃん楽しい?」 俺はそう言うといつものように禰豆子ちゃんの"音"を聞く。 独特な優しい心音。 集中すれば相手がどんな気持ちでいるのかわかるから、これが俺の禰豆子ちゃんとの会話の仕方だ。 嬉しそうにコクンと頷いた彼女の心音が突然緊張したように早くなった。 「んーん!」 「え? どうし……。 え? ウソでしょ、ウソすぎじゃない!? 」 禰豆子ちゃんが指をさすほうに意識を向ければ、嫌でも聞こえて来る鬼の"音"が聞こえてきて青ざめた。 え? だって鬼はもう討伐したよ? 三体も! まだいたの? って言うか、どこに隠れて……。 見逃してたの!? 俺たちが!? 油断したのね!? 鼻がいい炭治郎に耳のいい俺と弐の型がある猪助がいたらそう思うよね!? って、恐怖で震える全身でぐるぐると余計なことを考えるけど、鬼がいるって言うのは疑いようのない事実であって。 俺は弱い。 けど、命にかえても大好きな禰豆子ちゃんを守れないと! 「禰豆子ちゃん走るよぉぉ!」 「チィ、気づかれたか」 「ぎゃぁぁぁああ! 何でそんな近いの!? もっと遠い"音"だったのに何でそこにいるんだよぉぉお!」 信じられないてか信じてたまるもんか! こいつ、きっと気配を隠す血鬼術でも持ってるんだ! でないと遠くに感じた"音"がほぼ真横にあるとかないんもね!? 「まてぇぇ! 食わせろぉお!」 「それで待つ人間はここにはいません! 他をあたってください!」 「この前はよくも食事を邪魔してくれたな! 腹が空いてたまんねぇんだよ」 「だったら早く討伐されろよ! 成仏して新しい人生でも歩んどいてぇえ!!」 ひぃぃ! 怖いよぉ! たんじろぉぉお! 助けてよぉぉ! 禰豆子は相変わらずボーっと俺に抱えられている。 気遣いからか幼い姿になっていて軽くて助かる。 「うん可愛い俺頑張る! 頑張って逃げる!」 戦わないのかよとか言わないで! 俺だってそうしたいよ! でも何回も言うけど俺めっちゃ弱いの! 許して! 禰豆子ちゃんを守るだけで許してください! 「んんんー!」 「ちょっ、禰豆子ちゃん暴れないで! どうしたの!? 」 突然禰豆子ちゃんが暴れて俺の手から抜け出してしまった。 そしてそのまま鬼が伸ばしたぁぁああ!? ナンメートルのびんだよ! 鬼に捕まって、急に遠ざかって行く。 待てよ、禰豆子ちゃんは鬼だ、食えないじゃないか! 俺を狙えよ! 禰豆子ちゃんの瞳がが俺を捕らえた。 静かに、責めるでもなく、何でもなく、ただいつものように。 その瞬間、俺の中で何かが切れて、暗転した。 どうして私は抵抗しないんだろう。 こんな拘束、今の私なら簡単に解けるのに。 そうする気にはなれないの。 「禰豆子ちゃんを離せ」 あぁ、善逸さん。 そうなのね。 私は、きっと貴方に助けてほしいんだわ。 炭治郎には内緒だよ? あの日、箱ごしで言ってくれたあの人の言葉。 嬉しかった。 私が欲しい言葉をくれたから。 (信じています。 善逸さん) あの日の言葉も、助けてくれるってことも。 こう思っても許されるかな? 私の眠りの剣士さま。 [newpage] シィィイ。 と善逸から空気がもれるような音がする。 体が異様に重い。 距離を詰めるためだけにまず技を使う。 名前とは逆に影が薄く気味悪がられた。 善逸はこの鬼が気配を消す類いの血鬼術を持っていると思っているが、それは鬼になる前からの彼の才覚だった。 その才覚を面白がられ鬼にされたのだが、叫架にとっては百年以上も前のことでどうでもいいが。 「禰豆子ちゃんを離せ」 今叫架の前に立っている鬼狩りは彼が二年余り縄張り争いを続けていた三体の中でも一番強い鬼を瞬殺した強者だ。 しかし彼には自信があった。 彼の血鬼術は 恐怖を餌に身体能力を奪う力だったからだ。 早っ」 半分以上の身体能力を奪ったはずだった。 それなのに一瞬で間合いに入られたことに驚愕し、焦りを覚える。 「雷の呼吸 壱の型」 最後のあがきに、拐った鬼ごと腕を鬼狩りに目一杯伸ばす。 あぁ、どうして鬼は憎まれる存在何だろうか。 鬼狩りがつれていた鬼をさらおうとしたのは、ただの嫉妬だと、殺される直前になって気がつけただけでも幸運だった。 善逸は躊躇うことなく禰豆子を掴んで離さない腕を切り落とし、左半身をひねり急遽を外したが、左脇下あたりが骨ごとえぐれて激痛がはしる。 (今止まれば殺られる。 立て直せない) 「雷の呼吸 壱の型」 もつれそうになる足を何とか踏み出し間合いにに入る。 「霹靂一閃・六連」 そして一瞬で首を跳ねると、鬼が消えるのを待たずに掘り出された禰豆子を受け止める為に無理やり構えを取り先程と同じように霹靂一閃の足を使って禰豆子に手を伸ばす。 その先に踏むべき大地はない。 「禰豆子ちゃん、手を」 伸ばされた手を掴むと、内臓が浮くような浮遊感を感じる。 抉れた傷にこの衝撃は耐え難い苦痛を与えてくる。 [newpage] 「この骨再生してくれるかなぁぁ!? 」 「んんん!」 痛い痛い痛い! あっこから落ちたんだね。 打ち身も結構酷い、両足ヒビ入ってる気がする。 いやこれくらいで済むほど高く無くて良かったけども! てか、俺出血多くない? グラグラしてきたんだけど、てか血止まってなくない!? 一人で騒いでたら落ち着けと言わんばかりに頭突きをされた。 ……この兄妹石頭だなぁ。 痛い、ごめん落ち着くよ。 流石にこれ以上騒いだら出血多量でヤバいことはわかった。 「禰豆子ちゃん。 俺、守れなくてごめんね。 おれ、早く禰豆子ちゃんを守れるようになる、からねぇ」 「んーんー!」 あぁ、禰豆子ちゃんが頭を撫でてくれてる夢見心地だ。 禰豆子ちゃんの優しい"音"が子守唄のようだ。 眠ってしまいそう。 今寝たらやばい気がする。 ダメだ。 寝ちゃ、ダメだ……。 意思とは反対にどんどん閉じていくまぶたに焦りを覚える。 ダメだったら、だ、めだっ……て……………。 久しぶりの感覚だ、寝ている間に何かを聞くのは。 「禰豆子ー! 善逸ー!…………! 血の、匂い……!? 善逸! 何があった!? 」 「んん! んー!!」 「善逸! しっかりしろ!」 「起きやがれ! 根性みせろや!」 「とにかく急いで藤の家まで運ぼう」 「……俺、助かるかも?」 「!! 善逸起きっ……てない! 寝言か! 助かるから目を覚ますんだ!」 がやがやと、大騒ぎだったみたいだけど、俺の体は一ミリたりとも動かせなかった。 俺を心配してくれる音がする。 ありがとう、心配してくれて。 俺はそれだけで救われるんだ。 幸せだなんだよ。 けど、大事な友達のそんな悲しい"音"は聞きたくない。 早く起きないと。 俺は大丈夫だよ。 だからそんな悲しい"音"は止めて欲しいな。 禰豆子ちゃん。 俺の傍らで禰豆子ちゃんが歌ってくれるのは子守唄何だって最近知った。 俺とは無縁の優しい唄。 歌詞は無くてまるで鼻唄だけど、俺のために歌ってくれてる。 これを歌ってくれる禰豆子ちゃんはいつも以上に穏やかで優しい"音"を聞かせてくれる。 「こんこん小山の小うさぎは なぁぜにお耳がなごうござる……」 炭治郎もそれを見たからか歌ってくれるんだけど、正直止めて欲しい。 "音"は優しいけど音程滅茶苦茶だからね。 下手くそだからね? 炭治郎。 でもお陰で歌詞を覚えたから、目が覚めたら禰豆子ちゃんに唄ってあげよう。 ……って言うかさ、こんなに意識はっきりしてるのにどうして体は動かせなの!? ちょっとくらい動かせても良いと思わない!? 俺このまま目が覚めないのかなぁ!? いや起きてるけどさ! いやぁぁああ! そんなのは嫌だよ俺! 守られたあげく一生迷惑かけるとか、いっそ殺して! …………俺が死んだらさ、悲しんでくれるかな。 少しでいい。 次の日にはころっと忘れても良いからさ、1日くらいは俺のために泣いて欲しい。 誰の、声だろう。 いや、聞き覚えある、滅茶苦茶あったわ。 これ、獪岳がほんの少し優しかった頃の言葉だ。 (動け、動け動け動け!) じいちゃんに柱になった俺を見てもらうんだ! 禰豆子ちゃんに子守唄を唄ってあげるんだ。 皆を守れる、凄く強くてかっこいいヒーローになるんだ…………! [newpage] 善逸さん、起きてください、起きて。 「禰豆子。 もう日が昇るから休め」 「うー……」 善逸さんが起きるまで寝たくないの、お兄ちゃん。 力なく首を降るけど、本当はとても眠い。 (やっぱり、お昼寝しないと……) 私はギリギリのところで踏ん張っている。 眠ることで理性を保っているから、寝ないでこの人を襲ってしまうかもしれないと思うと恐ろしくてどうにかなってしまいそう。 ごめんなさい、ごめんなさい。 どうして鬼の私を優先したの? あなたは人間なんだよ? 死んでしまったら私も皆も悲しいわ。 「善逸は大丈夫だよ、大丈夫」 そう言う兄の表情は冴えなくて、それで善逸さんが危ないってわかってしまう。 嘘をつこうとはしていない。 お兄ちゃんは嘘が恐ろしく下手だから。 きっと、自分に言い聞かせている。 伊之助さんは今はいない。 昨日きたお兄ちゃんの任務を代わりに行ってくれてるの。 私が、離れようとしないから。 (善逸さん、大好きなの。 起きて) 「ぅ……け」 善逸さんが、必死に私たちの思いに答えようとしてくれてるのを、私もお兄ちゃんも気づかなかった。 今夜も記憶に深く残る唄を歌う。 本当は寝かせるための唄だけど、起きてと念じながら唄う。 あのと時も、子守唄を唄ってるときに起きてくれたから。 「う……け。 ぉき……っ」 「!! うー!」 初めて、反応があった。 苦しそうに顔を歪めながら、何かを呟いている。 (苦しそう……お兄ちゃん!) どうすれば良いのかわからない。 私は急いでお兄ちゃんの所へ走った。 寝てると思うけど、今はしかたないの! 「うー!んん!」 「ん、禰豆子ぉ。 どうした?」 「んーん!」 ぐいぐいと裾を引っ張る私に何かを察したのか目を見開いて飛び起きた。 「善逸か!? 」 「ん!」 たたたと善逸さんの所へ走る。 この家の人に迷惑がかかるってことはわかってるけど、気にしてられなかった。 「ぅご……け。 ……ぃた」 「善逸! どうした? 痛いのか?」 「きろ、おき……ろょ」 呼吸が荒くなって、善逸さんの目からは涙が出てきた。 泣かないで、泣かないで! 痛い痛いと泣く子にはどうすればいいんだっけ。 その度に、私やお兄ちゃんはいつも、いつも……。 「んーん、んーん」 善逸さんの頭を撫でる。 大丈夫大丈夫、痛くないと言いながら。 「禰豆子、手を、握ってやれ」 「うー?」 お兄ちゃんの言ってる事は良くわからなかったけど、シーツを強く握ってる手をぎゅっと握る。 意外に大きな手。 握力はとても強くて、タコだらけの手。 お兄ちゃんと同じ、努力できる人の手だ。 (起きて、頑張って、善逸さん) 待ってるから。 目が覚めかけてるのかも知れないけどさ、それにしたって痛すぎだよ! 左がわが凄く痛い、じんじんする。 痛いのに感覚無くなりそうなくらいじんじんする! 想像を超える痛みに心が折れかける。 けど、痛みの中に温もりを感じた。 (優しい、"音") 禰豆子ちゃん。 君は本当に強いね、優しいね。 こんな俺の命を思ってくれるんだね。 (大好きだよ。 禰豆子ちゃん。 今ちゃんと起きるからね) 幸せな音に包まれて俺は…………。 「ね……ずこちゃ…………」 あぁ、やっと君の顔が見れた。 目を覚ますことができた。 あと痛い。 よくこれで寝ていられたよね、痛すぎてもっかい寝れる気がしない。 「善逸! 良かった、よかった本当に」 「んーんー!」 炭治郎の顔が泣きそうに歪む。 禰豆子ちゃんは満面の笑み。 反応は真逆なのに"音"は安堵と喜びに満ちていて、俺の回復を喜んでくれてるとわかった。 「善逸、ありがとう。 禰豆子を守ってくれて」 「ち……がうよ。 おれ、弱い……から、守れなかった。 守られて……怪我して……」 「そんな事ない! 善逸は強いよ!」 だから俺は弱いです! 本気で落ち込んでる時にありえない気休めは止めてくれ、余計へこむから! 「だからっ、俺は、弱っつつ! いだだた! 大声出したらいだっ」 「当たり前だ! 動くなわめくな」 「ひー! 痛いよぉ」 「禰豆子、俺は家の人を呼んでくるから善逸を見張っておいてくれ」 「う!」 「見ていてじゃなくて見張ってなのね!? そんなに信用ない!? 」 「現在進行形で暴れてるじゃないか」 嫌、そうだけどね。 炭治郎は何か言いかけた俺を無視して家の人を呼びに言ったみたいだ。 「禰豆子ちゃん。 ありがとう、子守唄、歌ってくれて」 「むー?」 禰豆子ちゃんはきょとんとして、頭から手を離して今度は俺の胸をトントンしはじめた。 禰豆子ちゃん。 弟くんたちにやってあげてた見たいにしてるのはわかるんだけど、傷に凄く響いて痛い! 物凄く痛いよ!? 流石に止めようとしたけど、彼女から聞こえる旋律に耐えることにした。 それを一秒でも長く感じていたい。 「禰豆子ちゃん。 善逸さん。 都合のいい、幻聴を聴いた気がした。

次の

#2 孤独な少年は忌むべき愛する少女の想いを知らぬ

こんこん 小山 の こうさぎ は

いもむし ごろごろ ひょうたん ぽっくりこ 啓蟄 けいちつ の日も過ぎて、もうそこに春。 いもむし(チョウやガの幼虫)も、 うごめいてくる頃です。 地方によっては、 「・・・・・ぽっくりこ」の後に 「げじげじが 足だした」と歌われているのも あるそうです。 いもむし ごろごろ ひょうたん ぽっくりこ ぽっくり ぽっくり ぽっくりこ ででむし のそのそ かきねを よっちらこ よっちら よっちら よっちらこ 小林純一作詞、中田喜直作曲です。 歌いながらの遊びは、 一人一人の子どもがしゃがみ、 前の子の腰に手をかけ、 一列に並んで連なって這うようにして歩くのです。 それはまるで、 いもむしのよう・・・・・。 そうです、 まるで いもむしが這っているように進むと 楽しくなるのです。 まるで むしになったよう。 変身しようとする心は想像力を高めるそうです。 でも過度な変身願望は危険だそうですが、 すこし、何かに変身するのは楽しいものなのです。 歌川広重の 『風流をさなあそび』がそれです。 公文教育研究会の「子ども浮世絵ギャラリー」 下記で観ることができます。 「凧揚げ」「ジャヤンケン」「こま回し」「水鉄砲」 「相撲」「竹馬」「将棋たおし」など、 十六もの遊びが楽しく描かれているのですが、 そのなかに 「いもむし ごろごろ」が入っています。 古代の人々は花の香りに 春がやってくるのを感じたといいます。 風に乗ってやってくる春の香り! 花を目で見る前に香りで感じる春だったのです。 花がひらく春は心もやさしくなり、あたたく感じます。 いい歌があります。 それは、 ひらいたひらいた ひらいた ひらいた 何の花が ひらいた れんげの花が ひらいた ひらいたと思ったら いつのまにか つーぼんだ つぼんだ つぼんだ 何の花が つぼんだ れんげの花が つぼんだ つぼんだと思ったら いつのまにか ひーらいた この歌の中で 「ひらいたり、つぼんだりするれんげの花」は蓮の花。 昔は、子どもたちがよく遊んだお寺の境内には 小さな池があって 蓮の花が美しく咲いていたのでしょうね。 蓮はお釈迦様の花。 極楽浄土が見えてきます。 子どもたちはその極楽浄土で遊んでいたのでしょう。 では、歌いながら遊んでみましょう。 そのつぼみを歌に合わせて開いたり閉じたりして、 れんげの花に見立てて遊ぶのです」 集団で遊ぶには、 「円陣を作り、隣の人どうしで手をつなぎます。 やはり、歌に合わせてつないだ手を上にあげ円陣を 外に大きく開いていくと花は開き、円陣の中心に 皆が集まって小さくなると花は閉じます。 ということで、 さあ、皆さま 「ひらいたり、つぼんだり」して、 お花になって遊んでみましょう。 その旋律はいまでも思い出されますね。 母の歌声に安心して眠りにつく子ども。 わが子の安らかな吐息にほっと息つく母親。 また赤ちゃんの世話をするのは、 お母さんだけではありません。 おばあちゃんやお姉さんも、 また、お守 もり さんも。 昔は、赤ちゃんの世話をする 守り子と呼ばれる女の子たちがいました。 7、8歳から10代で、 その多くは、貧しい家から守り子の奉公にでたそうです。 その子たちは、年に数度、山を越えて里に戻っていきます。 棒状の持ち手がついた小さな太鼓。 その太鼓の両側に紐に結んだ玉がついています。 持ち手を回転させると紐の先の球が太鼓に当たり、 パンパラ、パンパラ、トントンデンデンと音を立て、 赤ちゃんをあやすのです。 「笙の笛」は、ここでは雅楽に使う笛ではなく、 竹製の一本の縦笛。 江戸時代には、よく土産物として売られていた竹笛だそうです。 幼い子どもにも吹きやすくしたものです。 「起き上り小法師」は、だるまのように、 何度倒しても起き上がってくる可愛い玩具。 これらの玩具は、生まれた子どもがすくすくと 幸せに育つように願う親心が込められたものです。 この唄を歌っていると、なぜか目の前に、 夕焼けに染まった山の姿が見えてきそうで、 懐かしい夢のような情感があふれでてきます。 その親心を歌った唄が静岡に伝えられています。 この子の可愛さ 〈眠らせ唄〉 坊やはよい子だ ねんねしな この子の可愛さ 限りなさ 天に上れば 星の数 七里が浜では 砂の数 山では木の数 萱 かや の数 沼津へ下れば 千本松 千本松原 小松原 松葉の数より まだ可愛い ねんねんころりよ おころりよ 天の星の数よりも、 七里ヶ浜の砂の数よりも、 松葉の葉の数よりも、 限りなくかわいいわが子! 愛情表現がこまやかで、母の愛にあふれた唄です。 この唄は沼津地方で唄われましたが、 その他の地方でも広く唄われていたようです。 しかし、歌詞は各地によって少しずつ異なっていきます。 様々な風土が唄いこまれていて楽しくなります。 限りない愛情が心にあふれるのではないでしょうか。 北海道で唄われた〈眠らせ唄〉に 次のような美しい唄があります。 赤い山青い山 ねんねの寝た間に 何せよいの 小豆餅の 橡餅 とちもち や 赤い山へ持って行けば 赤い鳥がつっつく 青い山へ持って行けば 青い鳥がつっつく 白い山へ持って行けば 白い鳥がつつくよ 小豆餅とは、赤い小豆の饀をつけた餅、あんころもち。 橡餅 とちもち は、橡の実をかき混ぜた黒赤色の餅です。 赤い餅、黒赤の餅。 赤い山、青い山、白い山、それに続いて、 赤い鳥、青い鳥、白い鳥、 なんとカラフルなのでしょう。 また、 白犬が吠える〈眠らせ唄〉が、 秋田にあります。 ねんにゃこコロチャコ ねんにゃこ コロチャコ ねんにゃこ コロチャコ よーよ おれの愛 め で子どさ 誰ァかまて泣ーく 誰もかまねども ひとりして泣ーく ねんにゃこ コロチャコ ねんにゃこ コロチャコ よーよ 向 むげ ェの山の白犬コーよ 一匹吠えれば みな吠えるーよ この子守唄は、 「音大工」をご覧になれば、 藤本容子さんの美しい歌声で試聴できます。 またインタビューで、唄の事がよくわかるように 楽しいお話もされていますよ。 赤ちゃんを育てることはとても大変なことですね。 ましてや昔のこと、 厳しい自然の東北の暮らしの中での 主婦の労働は大変なもの、 忙しく立ち働く母親にとっては・・・、 それはそれはつらいこともあったでしょう。 そのためにいらだつこともあるのです。 そのような中、眠りにつかないで泣くわが子。 早く眠りについておくれ、 どうしたの、そんなに泣きわめいて、 山の白犬が吠えるよ。 早く眠ってね!と、 少しおどかしても眠らせたかったお母さん。 こんな想いで子守をしていたことでしょうね。 山の白い犬、白い色の動物とは、 人間界を超えた魔物のような不思議なものといわれます。 その白い犬が吠えるのです。 怖い白犬の吠える声。 それは、子どもにとってはとても恐ろしいもの。 山の白犬が、 おまえをおどろかしているのかい。 おびえて泣く子どもの顔を見つめながら、 様々に揺れ動く母親の心。

次の