男装 騎士 は 王 太子 の お気に入り。 年齢確認

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男装 騎士 は 王 太子 の お気に入り

【あらすじ】 これは、とある少女の悲劇から始まる物語。 主人公「天野ユキ」は、魔法界で幻とされている翡翠石を瞳に宿して産まれてきた魔法使いの女の子。 過去、翡翠石を受け継ぎ長年守り続けてきた一族全員を何者かに暗殺され、レンジュ大国の皇帝に その命を拾われる。 その日からユキは、皇帝直属管理部兼直属部隊影の一員として裏側で国を支える戦闘要員になった。 以前に比べて明るい性格になった彼女は、今も男装して周囲を騙し続けている。 それは、一族を暗殺した何者かから自身を守るためか、それとも、本当の自分を見せないためか。 皇帝から伝えられた新任務「護衛」を境に、ユキの日常は大きく変わっていく。 少女が選ぶのは、平和の道か。 それとも、復讐か。 章を重ねるほど主人公の闇が明かされていく、ダークファンタジー。 その日から、彼女は皇帝直属管理部兼直属部隊影の一員として裏で国を支える戦闘要員に。 自身に宿された幻と言われている「翡翠石」を守るため、そして 、大切な人との約束を守るため、彼女は前に進み続ける。 本当の悲劇は、「善」と「善」がぶつかり合った時に起きるもの。 彼女は、その悲劇を救えるのか。 キャッチコピー: 「重い過去を背負った少女は、ただひたすらに前を向く」 【ストーリー】 天野ユキは、魔法界で幻とされている「翡翠石」を宿して産まれてきた魔法使いの女の子。 過去、両親だけでなく親族全員を何者かに殺されている。 齢12にして皇帝直属管理部兼直属部隊影の一員である彼女は、ある日雇い主であるレンジュ国の皇帝から「とある任務」を言い渡される。 それは、「護衛任務」。 同世代の真田まことを守ってほしいというものだった。 彼女は、それを「男装して良いなら」と条件をつけて引き受ける。 章を重ねるほど、ユキの闇が明かされていく。 2-9まで完了しています(2020. 17) 龍に導かれ、やってきた異世界で医者を目指す中華ファンタジー 現代日本でフリーターとして生きていた野地 蘭(三十五歳)。 ある日の深夜、コンビニのバイト中に龍に導かれ、陽煌国(ひこうこく)へと飛ばされる。 しかし、陽煌国に来てから三年が経った頃、委元は何者かに暗殺されてしまう。 それは委元が宮殿で働いていた頃の事件と、なにか関りがあるようで……。 自分の師であり義父である委元の死の真相を明らかにするため、蘭は宮殿へ。 宮廷医の試験生として潜入することを考えるも、女人は医者にはなれない。 それを聞いた蘭は、男装して都で行われる宮廷医試験へと向かう! 陰謀渦巻く宮殿で繰り広げられる。 「このっ!役立たずがっ!」 そういって腹を蹴られる。 まだ子供の少女はうずくまりながら怒鳴る女の方を見た。 女は少女の雇い主だった。 正確には義理の子供だが、女は少女のことをただの奴隷と同等だと見なしていた。 その軍で出会った一人の少年、ルイ。 そして、蒼の魔力を持つレンと暁の魔力を持つルイが何でもなれてなんでもてきる軍人として時に兄弟として、時に仲間として、時に敵の振りをして、世界をかき回す!! 太陽と月の兄弟が描く、恋愛小説であり、友情小説でもあり、ファンタジーでもあるハッピー小説である。 注意、この小説は時折急に編集されたりすることがあります。 その時々報告するようにいたしますが至らなかった場合は申し訳ありません。 先にお詫びいたします。 また、主人公レンは途中から前世を思い出します。 髪と目の色が濃いほど貴い存在とされる世界において、黒髪黒目とは【瑞兆】の証。 絶対不可侵の信仰の対象だ。 そんな世界に迷い込んでしまった紗耶は、偶然にも金髪に脱色したばかりだった。 変な注目を集めずには済んだが、皇帝陛下に出会ったことが敗因 で、後宮に入れられてしまう。 最初は戦々恐々としていたが、特に誰の訪れもない事がわかると、これ幸いとばかりに勉強し、官吏として働くことに。 伸び始めた黒髪を隠し、男装をして、せっせと毎日後宮から脱走する生活も、早5年。 いつの間にか、陛下とも対等に言葉を交わせる、有能官吏にまで上り詰めちゃいました。 決裁書との格闘の日々は充実していたけれども、ある地方で魔獣による農作物の被害が発生し……。 ついでに後宮にも一波乱の予感で、穏やかな日常は消え去っていきそうです……っ。 史実とは異なる箇所が散見されると思いますのでご注意ください。 生まれつき体の弱い僕【華月 司狼】は、未知のウィルスによって命を落とした。 が、気付けば子犬(?)として生まれ変わっていた。 【ルウファ】と名付けられた僕は生まれた翌日、母親が消えていた事を知り、ハードモードな犬生に絶望を覚える。 僕のサ バイバル生活が始まった。 そうして生き始めた僕はこの世界が地球とは違う異世界である事に気付いた。 そして僕が【神狼】を継いだ存在だという事を知る。 更に、オスではなくメスという事も。 成長するに従い強大な力に目覚めていく僕はやがて、何故か【人狼】へと変身出来る様になり、更には人間へも変身出来るようになる。 しかし人間の姿では、人狼、神狼としての強大な力は使えず、か弱い少女としての能力しかなかった。 なぜ、僕はこの世界に転生したのか。 これは、その謎を追い求めながらもか弱い少女として人間たちと生活し、厨二病を拗らせながらも逞しく生きていく僕の冒険譚である。 25世紀末の西暦2500年、人類は端末機器も老後も何にも束縛されず誰もが平均的に幸福を獲得出来る時代を謳歌していた。 そんな時代に生きる普 通()のサラリーマンである谷戸賢治は超多忙企業の労務に疲れ、11日間の休みを取り自分を見つめ直す休暇を貰うのだが・・・・。 無事、更なる地獄が始まる。 死んだ父親の重課金アカウントを相続し、フルダイブゲームを始め、この科学文明である現実世界の隠された事実を知る事となる。 それが『彼』から『彼女』への始まりだった、彼女は聖女として、女性 メス へと回帰してゆく!! 時々異世界巡る防衛戦線青春奇譚。 ・賢治はヒロイン 聖女 です。 ・自称成人男性から幼女に少しずつ戻りますがサブタイトルは裏切りません。 ・勇者はこの物語の主人公ではありません。 ・科学に中指立てる世界観です。 ・最初はローファンタジーですが展開が進むにつれハイファンタジーになります。 ・ハイファンタジータグに変更しました。 ・二章までは殆どの描写している世界が近未来の現世です、現在三章製作中です。 ・勇者、魔王、賢者、聖女が出て来ます、賢治は魔王で聖女です。 ・自分を「俺は男だ」とか言いやがりますが幼女です。 ・賢治には男装癖があり正装を嫌がります。 『G』は暴力表現や微グロです。 『腐』は腐ってます。

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レイシアは凡人凡才だ。 任せると言われても、どうすればいいのか思いつくはずもない。 (どうすればいいんだろう……) ほぼ毎日のように招待されている夜会に今日も参加したのはいいものの、途方に暮れている。 心ここにあらずの状態なレイシアに、これまたほぼ毎日のようにレイシアを囲んでいる男性陣は心配そうに「どうした」とか「悩みがあるなら聞く」と口々に声をかけた。 眉を下げて肩を落としている姿はその愛らしい見た目と相まって、最大限の効力を発揮している。 「あの……」 いくら考えても、良案は浮かばない。 だが先延ばしにできるような話でもない。 もうこうなったらどうとでもなれと半ばやけっぱちで口を開く。 レイシアが目を伏せ、ためらいがちに喋りはじめると、男性陣は続く言葉を聞き逃さないように口を閉じた。 (さすがに、ここでは話せないよね) 広間は人であふれている。 兵の派遣を遅らせてほしいと口にできるような環境ではない。 もしも誰かの耳に入れば、たとえ実施する前だとしても捕らえられることだろう。 一歩外に出れば完全にいないというわけではないが、こっそり話せる程度にはなる。 「……庭園で皆さまとお話したいのですが、よろしいでしょうか」 そして誘われた男性陣は、二の句もなく頷いた。 ある程度親密になった男女が人目を気にせず話せるようにと、いくつか気兼ねなく語り合えるようにそれ用の場所が用意されている。 そして庭園はその一つだ。 ちらほらと明かりが灯ってはいるが全体的に薄暗く、会場内の賑やかさが嘘のように静まり返っている。 そして庭園にまで男性陣を引き連れてきたレイシアは周囲の様子を窺い、そこに誰もいないことを確認すると胸の前で手を握り、一同を見上げた。 「実は……皆さまにお手伝いしていただきたいことがございます」 レイシアに人を言いくるめる才能はない。 それができていたら、レオンとの関係ももっと違うものになっていただろう。 彼女にできるのは誠心誠意、真心を持って正直に話すことだけだった。 「……私はレオン様と話したいと思っています。 それで、その手伝いを頼めればと……」 ここにいるのは好奇心から声をかけた者や学園にいた頃からレイシアを気にしていた者ばかりだ。 そのためレイシアとレオンの関係も、学園で起きたこともある程度は知っている。 レイシアが捕らえられたレオンを気にかけるのもわかるのだが、即座に頷けるような内容ではない。 なにしろレオンはミハイルを害そうとした罪で幽閉されている。 面会したいと願ったとしても、却下されると思ったほうがいい。 「君が学園に戻るまでに申請が通るかわからないけど……」 男性陣の中で一番位が高い家の息子が申し訳なさそうに言うと、レイシアは一瞬きょとんと瞬きをして、それから首を横に振った。 「申請しても通らないと思うので、その……こっそりと忍び込むつもりです」 本当にレオンと会えるのかどうかはわからない。 だがそれでも、話せる機会はもうここしかない。 (アルミラ様が侵入した後なら、多分そこまで危なくないよね) アルミラがレイシアに外でのことを頼んだのは、そのほうが発覚する恐れも危険も少ないからだろう。 だが外でレオンの無事を案じているだけはレイシアの性に合わなかった。 なによりも、計画が成功したらアルミラはレオンを他国に追いやる。 そうなれば話す機会は永遠に失われる。 「それで、援軍を王城に向かわせるのを少し遅らせていただければと……お願いします」 レイシアが頭を下げると、男性陣は戸惑いつつ互いに視線を交わす。 権力で面会を押し通すのとは訳が違う。 到底頷けるような話ではない。 しんと静まり返る中、レイシアは駄目だったと肩を下げ、アルミラにどう報告するべきかと潤んだ瞳で一同を遠慮がちに見上げた。 そして、学園に戻る前日アルミラは城壁内にいた。 侵入口はもちろん壁だ。 さすがに王城は社交期間でしか利用しない貴族の屋敷とは違い警備も多く、壁を下りる際にも巡回していた騎士と遭遇し、それからも何人か叩きのめしている。 (やはりフェイ様相手じゃなければ大丈夫だな) 迫る騎士をいなし、叩きふせる。 最初は「あれ、なんでここに?」と不思議そうな顔をしていた騎士もいたが、今は敵と認識して向かってくる者ばかりだ。 だがそれでも、顔見知りでなおかつ生物学的には女性のアルミラ相手では躊躇してしまうのだろう。 鈍った剣でアルミラに対抗できるはずもなく、撃沈している。 (他の場所を警備している奴も来そうだな。 急ぐか) アルミラが侵入したという情報は城中に広まっていると思ったほうがいいだろう。 今は各個撃破に近いが、数が集まればその分歩みも遅くなるし、体力も使う。 レイシアがどれくらい時間を稼げるかわからない状況で、悠長にしている暇はない。 そして時間がかかればかかるほど、王を護衛しているフェイが来る確率が上がる。 フェイ相手に正面突破するのは無理だ。 まともに剣を打ち合えるような相手ではない。 さらにレオンを連れて脱出するための時間も必要だ。 (昏倒させる時間もいるからなぁ) まず間違いなく、レオンはアルミラについてこない。 レイシアが心配だということもあるだろうが、なにを企んでいるのかと警戒し、てこでも動かないだろう。 だがアルミラには押し問答を繰り広げる時間もなければ、説得する寛容さも持ち合わせていなかった。 (気づかれないように近づければいいが……難しそうだ) 見つけてすぐ気絶させることができればいいが、仕損じたら抵抗されることだろう。 レオンがいる場所を考えると、後ろからこっそり忍び寄ることもできないので、二、三撃は食らわせるだけの時間もいる。 起きたときに暴れることも考慮して、縛っておく必要もあるので、その時間も計算にいれなければならない。 (まったく、手のかかる奴だ) やれやれと肩をすくめながら「どうしてお前が!」と声を張り上げている騎士と向き合った。 長期休暇もいよいよ終わりを迎えようとしており、明日は朝から学園に向かわなければならない。 その日の警護に当たる者との顔合わせや、後期で行われる授業のための予習、それから卒業後に行われる立太子式の打合せもあり、ミハイルは疲れた顔で廊下を歩いていた。 だがふと、なにかがおかしいと気づく。 (騎士が少ないな) 今は書庫から自室に向かっている最中だが、すれ違う騎士の数が減っている、ような気がした。 巡回ルートは日によって変わるが、騎士の数が増えることはあっても減ることはそうない。 ほんの些細な違和感だが、いつもとは違う様子に首を捻る。 (前はどうだったかな) ミハイルが学園に戻るのはこれが初めてではない。 これまでどんなものだったかを思い返していたが、廊下の先に人影を見つけ考えるのをやめ歩く速度を落とした。 赤い瞳に黒い髪、つんと澄ました顔に、ピンと伸びた背筋。 ゆっくりと歩いてくるコゼットに道を譲るように、廊下の端に寄る。 そして顔を伏せ、ただ通り過ぎるのを待つ。 これはマリエンヌが生きていたころからしていることだ。 身に染みついた習性のように、なにかを考える前に体が動く。 「ねえ」 いつもならばちらりと一瞥するだけで通り過ぎるだけのコゼットが、なぜかミハイルの前で足を止め、声をかけてきた。 (……なんだ?) コゼットとミハイルの間にいい思い出はない。 マリエンヌが生きていたときは嫌味を、死んでからはろくに言葉も交わさない関係だった。 だから嫌味を言われるのかもしれないと恐々と顔を上げ、コゼットを真正面から捉える。 ミハイルとコゼットの身長差は歴然だ。 どうあがいてもミハイルが見下ろす形になり、コゼットの眉がぴくりと跳ねた。 コゼットが自分の身長に不満があると知らないミハイルは、その不機嫌そうな顔に体を強張らせる。 「私、今すごく赤い薔薇が欲しいのよね」 赤い瞳を細め、紅の塗られた赤い唇が歪む。 まるで小馬鹿にするような笑みを浮かべているように見えるが、コゼットにとってこれは標準装備だ。 そして当然、ミハイルはそのことを知らない。 引きつりそうな顔を微笑むことでごまかし「侍女に頼まれては?」と返す。 「あら、私のそばに侍女がいるように見えるのかしら」 ミハイルの視線がコゼットの周囲に向く。 コゼットの横にも後ろにも誰もいない。 この場にいるのはミハイルとコゼットだけだ。 挑発するような目で見上げられ、ミハイルは拳を握りしめた。 挑発するように見上げ、小馬鹿にしたように笑う姿が、マリエンヌに嫌味を言っていたときと重なったからだ。 艶やかな黒い髪も、白い肌も衰えることなく維持されている。 「持ってきてちょうだい」 それは正妃とはいえ、王子にするような命令ではない。 だが、幼い頃から刻まれ続けた苦手意識から「かしこまりました」と頷くことしかできなかった。

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男装 騎士 は 王 太子 の お気に入り

レイシアは凡人凡才だ。 任せると言われても、どうすればいいのか思いつくはずもない。 (どうすればいいんだろう……) ほぼ毎日のように招待されている夜会に今日も参加したのはいいものの、途方に暮れている。 心ここにあらずの状態なレイシアに、これまたほぼ毎日のようにレイシアを囲んでいる男性陣は心配そうに「どうした」とか「悩みがあるなら聞く」と口々に声をかけた。 眉を下げて肩を落としている姿はその愛らしい見た目と相まって、最大限の効力を発揮している。 「あの……」 いくら考えても、良案は浮かばない。 だが先延ばしにできるような話でもない。 もうこうなったらどうとでもなれと半ばやけっぱちで口を開く。 レイシアが目を伏せ、ためらいがちに喋りはじめると、男性陣は続く言葉を聞き逃さないように口を閉じた。 (さすがに、ここでは話せないよね) 広間は人であふれている。 兵の派遣を遅らせてほしいと口にできるような環境ではない。 もしも誰かの耳に入れば、たとえ実施する前だとしても捕らえられることだろう。 一歩外に出れば完全にいないというわけではないが、こっそり話せる程度にはなる。 「……庭園で皆さまとお話したいのですが、よろしいでしょうか」 そして誘われた男性陣は、二の句もなく頷いた。 ある程度親密になった男女が人目を気にせず話せるようにと、いくつか気兼ねなく語り合えるようにそれ用の場所が用意されている。 そして庭園はその一つだ。 ちらほらと明かりが灯ってはいるが全体的に薄暗く、会場内の賑やかさが嘘のように静まり返っている。 そして庭園にまで男性陣を引き連れてきたレイシアは周囲の様子を窺い、そこに誰もいないことを確認すると胸の前で手を握り、一同を見上げた。 「実は……皆さまにお手伝いしていただきたいことがございます」 レイシアに人を言いくるめる才能はない。 それができていたら、レオンとの関係ももっと違うものになっていただろう。 彼女にできるのは誠心誠意、真心を持って正直に話すことだけだった。 「……私はレオン様と話したいと思っています。 それで、その手伝いを頼めればと……」 ここにいるのは好奇心から声をかけた者や学園にいた頃からレイシアを気にしていた者ばかりだ。 そのためレイシアとレオンの関係も、学園で起きたこともある程度は知っている。 レイシアが捕らえられたレオンを気にかけるのもわかるのだが、即座に頷けるような内容ではない。 なにしろレオンはミハイルを害そうとした罪で幽閉されている。 面会したいと願ったとしても、却下されると思ったほうがいい。 「君が学園に戻るまでに申請が通るかわからないけど……」 男性陣の中で一番位が高い家の息子が申し訳なさそうに言うと、レイシアは一瞬きょとんと瞬きをして、それから首を横に振った。 「申請しても通らないと思うので、その……こっそりと忍び込むつもりです」 本当にレオンと会えるのかどうかはわからない。 だがそれでも、話せる機会はもうここしかない。 (アルミラ様が侵入した後なら、多分そこまで危なくないよね) アルミラがレイシアに外でのことを頼んだのは、そのほうが発覚する恐れも危険も少ないからだろう。 だが外でレオンの無事を案じているだけはレイシアの性に合わなかった。 なによりも、計画が成功したらアルミラはレオンを他国に追いやる。 そうなれば話す機会は永遠に失われる。 「それで、援軍を王城に向かわせるのを少し遅らせていただければと……お願いします」 レイシアが頭を下げると、男性陣は戸惑いつつ互いに視線を交わす。 権力で面会を押し通すのとは訳が違う。 到底頷けるような話ではない。 しんと静まり返る中、レイシアは駄目だったと肩を下げ、アルミラにどう報告するべきかと潤んだ瞳で一同を遠慮がちに見上げた。 そして、学園に戻る前日アルミラは城壁内にいた。 侵入口はもちろん壁だ。 さすがに王城は社交期間でしか利用しない貴族の屋敷とは違い警備も多く、壁を下りる際にも巡回していた騎士と遭遇し、それからも何人か叩きのめしている。 (やはりフェイ様相手じゃなければ大丈夫だな) 迫る騎士をいなし、叩きふせる。 最初は「あれ、なんでここに?」と不思議そうな顔をしていた騎士もいたが、今は敵と認識して向かってくる者ばかりだ。 だがそれでも、顔見知りでなおかつ生物学的には女性のアルミラ相手では躊躇してしまうのだろう。 鈍った剣でアルミラに対抗できるはずもなく、撃沈している。 (他の場所を警備している奴も来そうだな。 急ぐか) アルミラが侵入したという情報は城中に広まっていると思ったほうがいいだろう。 今は各個撃破に近いが、数が集まればその分歩みも遅くなるし、体力も使う。 レイシアがどれくらい時間を稼げるかわからない状況で、悠長にしている暇はない。 そして時間がかかればかかるほど、王を護衛しているフェイが来る確率が上がる。 フェイ相手に正面突破するのは無理だ。 まともに剣を打ち合えるような相手ではない。 さらにレオンを連れて脱出するための時間も必要だ。 (昏倒させる時間もいるからなぁ) まず間違いなく、レオンはアルミラについてこない。 レイシアが心配だということもあるだろうが、なにを企んでいるのかと警戒し、てこでも動かないだろう。 だがアルミラには押し問答を繰り広げる時間もなければ、説得する寛容さも持ち合わせていなかった。 (気づかれないように近づければいいが……難しそうだ) 見つけてすぐ気絶させることができればいいが、仕損じたら抵抗されることだろう。 レオンがいる場所を考えると、後ろからこっそり忍び寄ることもできないので、二、三撃は食らわせるだけの時間もいる。 起きたときに暴れることも考慮して、縛っておく必要もあるので、その時間も計算にいれなければならない。 (まったく、手のかかる奴だ) やれやれと肩をすくめながら「どうしてお前が!」と声を張り上げている騎士と向き合った。 長期休暇もいよいよ終わりを迎えようとしており、明日は朝から学園に向かわなければならない。 その日の警護に当たる者との顔合わせや、後期で行われる授業のための予習、それから卒業後に行われる立太子式の打合せもあり、ミハイルは疲れた顔で廊下を歩いていた。 だがふと、なにかがおかしいと気づく。 (騎士が少ないな) 今は書庫から自室に向かっている最中だが、すれ違う騎士の数が減っている、ような気がした。 巡回ルートは日によって変わるが、騎士の数が増えることはあっても減ることはそうない。 ほんの些細な違和感だが、いつもとは違う様子に首を捻る。 (前はどうだったかな) ミハイルが学園に戻るのはこれが初めてではない。 これまでどんなものだったかを思い返していたが、廊下の先に人影を見つけ考えるのをやめ歩く速度を落とした。 赤い瞳に黒い髪、つんと澄ました顔に、ピンと伸びた背筋。 ゆっくりと歩いてくるコゼットに道を譲るように、廊下の端に寄る。 そして顔を伏せ、ただ通り過ぎるのを待つ。 これはマリエンヌが生きていたころからしていることだ。 身に染みついた習性のように、なにかを考える前に体が動く。 「ねえ」 いつもならばちらりと一瞥するだけで通り過ぎるだけのコゼットが、なぜかミハイルの前で足を止め、声をかけてきた。 (……なんだ?) コゼットとミハイルの間にいい思い出はない。 マリエンヌが生きていたときは嫌味を、死んでからはろくに言葉も交わさない関係だった。 だから嫌味を言われるのかもしれないと恐々と顔を上げ、コゼットを真正面から捉える。 ミハイルとコゼットの身長差は歴然だ。 どうあがいてもミハイルが見下ろす形になり、コゼットの眉がぴくりと跳ねた。 コゼットが自分の身長に不満があると知らないミハイルは、その不機嫌そうな顔に体を強張らせる。 「私、今すごく赤い薔薇が欲しいのよね」 赤い瞳を細め、紅の塗られた赤い唇が歪む。 まるで小馬鹿にするような笑みを浮かべているように見えるが、コゼットにとってこれは標準装備だ。 そして当然、ミハイルはそのことを知らない。 引きつりそうな顔を微笑むことでごまかし「侍女に頼まれては?」と返す。 「あら、私のそばに侍女がいるように見えるのかしら」 ミハイルの視線がコゼットの周囲に向く。 コゼットの横にも後ろにも誰もいない。 この場にいるのはミハイルとコゼットだけだ。 挑発するような目で見上げられ、ミハイルは拳を握りしめた。 挑発するように見上げ、小馬鹿にしたように笑う姿が、マリエンヌに嫌味を言っていたときと重なったからだ。 艶やかな黒い髪も、白い肌も衰えることなく維持されている。 「持ってきてちょうだい」 それは正妃とはいえ、王子にするような命令ではない。 だが、幼い頃から刻まれ続けた苦手意識から「かしこまりました」と頷くことしかできなかった。

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